三次になった途端ショパンコンクールの音になって来た気がしました。

S・Mさん、一次二次より小さな音外しやミスが殆どなく、これまでで一番よいのでは?マズルカの緻密で甘美な切ない旋律そして軽さどれもいい。マズルカ風ロンドは滅多に聴けない秀逸。民族舞曲でありながら華やかでユーモアもある。ソナタ3番はショパンの心情にピッタリ寄り添った演奏。2番より3番の方がより難しく弾くだけがやっとという演奏によく出会うけれどホモフォニーの代表格のショパン、不要なラインはかなり削っていた。この演奏でファイナルに残らないなんてあるのだろうか。

S・Kさん、たっぷりの肉厚だがとても丁寧な歌いまわし、ディナーミクの幅も大きい。ソナタ2番のあと聖歌の小品を挟んで圧巻の「英雄」惜しいミス少々でも納得の演奏。

S・Hさん、濁りのない澄んだ響き、一次から硬質の音色です。線が細く聴こえるのはS・Kさんの後だから仕方のないことなのか。

3人とも音質は全く違うので聴くのが楽しい。

トップバッターはポーランドのN君、いきなり冒頭ミスをしたりテンポがどうかな?と思うところや危うい箇所も。でもメインのライン以外も沢山表情を作り良かった。